最後の一手

私の神様は音楽の神様だと、
ずっと豪語してました。
そしてその神様は私と一緒で、
だいぶ年取って疲れて来たのか、
そんなに頻繁に顔を表さなくなりまして、
そろそろ別の神様と仲良くなっても
(ガネーシャとか)
私の事好きじゃなくなったとしても、
別の若い才能を見守ってくれているならいいと、
そんな心境で毎日を過ごしていたのですが。

バカ…

私は極平凡な人間で、
おまけに年食って、感性も擦れてしまって、
もう何も新しい事で感じる事が無かったんですが、
今度の件では、どれほど、
これが夢であってくれたら良いかと、
少なくともこども達だけには、
これ以上の負担を強いたくは無いと、
もうそれを考えると胸が張り裂けそうですなどと、
そんな感傷に浸っている間がまるで無いほど、
現実が厳しすぎる。

正直私なんかのちっぽけな存在では、
もうどうにもこうにもならない気がして、
最後の一手として、
私に出来る事があるとするなら、
まっとうな手段で、金銭を得ようとするなら、
もうこれは嘘でも夢でも何でも、
無理を押し通すしかない。
ヤケクソになれる程は、もう若くないし、
だからって、若くない自分がどれほどの力を出したら、
この頑強な岩山に、風穴を明ける事が出来るのか。

私が他人と音楽を作らなくなったのは、
エゴのぶつかり合う音を聴くのが嫌になったので、
これでまた、他人様と何かを始めようとしても、
実の娘とも直ぐ仲違いするような私が、
自分を押し殺して、何か作業をするのは、それは当然、
お金の為と割り切ること。
どっかのプロデューサーのように、
とても大切なものを失ったり、
或いはまがい物をまがい者達で御為ごかして稼いだりと、
あまりに見苦しいやり方で、
日本の音楽界を破滅に走らせたりと、
そんな良心的にやろうとしたって、
何も持っていない裸の自分には、
あまりにハードルが高過ぎるし、
いやあ私はどんなにバカだなんて、
49年間も生きてたら、とっくに気付いているよ。

もしかしたら、私と生まれの月日が全く同じの君へ。

生き急ぐのには、あまりに早過ぎて、
多分育ち方も、あまり夫と変わらないあなたへ。、

何故あの場所を選んだのですか。
せめてそれだけを教えて下さいね。
夢の中でいいから。